江ノ電・長谷駅から歩いてすぐ。鎌倉の喧騒を抜けると、そこには「別世界」としか言いようのない静寂と彩りに包まれた場所があります。
鎌倉の名刹・長谷寺は、1300年近い歴史を誇るお寺。正式名称は「海光山 慈照院 長谷寺」といい、境内には高さ9メートルを超える日本屈指の木造仏「十一面観音菩薩」が安置されています。その荘厳さに、立ち尽くす人が後を絶ちません。
けれど、長谷寺がただの“歴史スポット”で終わらない理由は、その花々の圧倒的な美しさ。梅、桜、牡丹、紅葉、そして今の季節なら何といってもアジサイ。境内の「アジサイ路」には、国内外から観光客が訪れ、SNSでも話題に。品種はなんと40種類以上。それぞれに「おはよう」「ありがとう」「モナリザ」「ピーターパン」など、詩的で可愛らしい名前が付けられていて、ひと株ずつじっくり眺めるのも一興です。
花に囲まれた小道を歩けば、海が見渡せる絶景展望台にも出会えます。海風を頬に感じながら、心がふわっとほどけていくようなひととき。観音さまのやさしいまなざしと、自然の恵みに包まれる時間は、まさに“心のデトックス”。
拝観料は400円。朝8時から夕方まで開いていて、昼過ぎは混雑することが多いので、静かに味わいたい方は朝がおすすめ。あじさいのピーク時には入場に整理券が必要な日もあるので、事前に公式サイトの情報をチェックしておくと安心です。
お寺って敷居が高い? そんな先入観が吹き飛ぶほど、五感で楽しめて、心まで整う場所──長谷寺は“映える”だけじゃない、“満ちる”スポットなのです。