高山陣屋にも寄りました。
ここは徳川幕府の直轄領となった飛騨国を治めるためにおかれた役所でした。
江戸から派遣された代官・郡代がここで政務を行いました。
幕末には全国に約60ヶ所ほどあったと言われる代官所・郡代所の中で、主要な建物が現存しているのは唯一、高山だけで「国史跡」に指定されています。
高山陣屋があった場所には、もともと飛騨国を統治していた領主の金森家の下屋敷がありました。
戦国時代、豊臣秀吉の命令で飛騨攻めを行った戦国武将・金森長近は、飛騨国3万8千石の国主となり、その後に高山城を築き、今の「古い町並」の元となる城下町を作ったと言われています。
しかし1692年に金森頼旹は、幕府から「出羽国上ノ山への国替え」を命じられましたが、今で言う山形県上山市です。
5代将軍・徳川綱吉の時の出来事でした。
この突然の国替えなる移封には諸説あるものの、「飛騨国の豊富な森林資源に目をつけたからではないか」と考えられているようです。
こうして飛騨国は徳川幕府の直轄領となり、金森家の子女が住んでいた下屋敷の場所を代官所と定めて「高山陣屋」としたそうです。